高橋様 シェビーバン パート2


「究極のアナログサウンドを求めて」
とかくカーオーディオ界では、カロッツェリアXのデッキをデジタルで、ナカミチのCD-700やアゼストの9255などのデッキをアナログデッキと言う人が多いですが、僕に言わせればどちらもCDですからデジタルです。

本物のアナログのサウンドを求めて今回のシェビーバンが完成しました。
肝心なるヘッドはアナログ機の最高潮、オープンリールデッキです。

最近良く耳にする「オリジナルマスターからのリマスタリングCD」と言う言葉で分かる通り、CDやレコードの大元はこのマスターテープです。いかにマスターテープの音に近づけるかマスタリングしているだけで、そのマスターで聴くのが一番音は確かです。
なかでもこのテクニクスRS-1500はバッテリー駆動にも対応したモデルで、車載用に打って付けで安定した動作が望めます。
何よりメカニカルな動きが操作していても、見ていても楽しいです。


アナログなサウンドで次に重要な物はパワーアンプでしょう!
ご存知の通り、昨今は小型で消費電力の少ないデジタルアンプが多く発売されていて人気ですが、
ここは大きくて、重たくて、燃費が悪くて、発熱も大きい、非常に効率の悪い、真空管アンプが一番です。


大型トランスが4機も搭載されていて、見た目の迫力は凄いですが、出力はたったの6ワットです。
この効率の悪さがまた魅力的です。


好きなオーディオ機器を眺めながら音楽を楽しむ、
これもオーディオにとって重要な事です。


ようやくスピーカーの話ですが、
10年前に取り付けたフォーカルの10cm2WAYスピーカーです。
オーナーの希望でホームオーディオ風との事で、
リアルウッドのニス仕上げのエンクロージャーになっています。





こちらも製作は10年前ですが
2本の26cmウーファーを向かい合わせてマウントさせた「アイソバリック方式」のセンターウーファーです。
これにより小出力の真空管アンプでもウーファーを十分に駆動出来ます。


このウーファーBOXもオーナーの希望でホームオーディオ風のBOXにしました。
BOX内部は補強材を格子状に入れる「マトリクス構造」を採用する事により、強度が得られ、吸音材レスを実現。
また、BOX後面を曲線形状にする事により、内部の並行面を無くし、定在波の発生を防いでいます。
バスレフポートはBOX下部に向けて、BOXの高さ調整でバスレフポートの特性を変えられるようになっています。


3WAYシステムを一つにまとめる重要な物がこのパッシヴネットワークです。
自由にパーツを付け替え調整出来るよう、ネジ式のベースを使用しています。


いちようCDも聴けるように、名器ナカミチの100cdc/iも積んでいます。
発売と同時に名器と云われた、ナカミチが一番良かった時代のCDです。
今から約20年前の物ですが、今現在の水準でも十分通用する音なのがビックリします。
良い物は何年経っても良いという証明ですね!


今回のグレードUPがこのへリックスのキャパシターです。
10年後にグレードUPしてくれるのが嬉しいですね!














ヘッドユニット・・・テクニクス RS-1500、ナカミチ 100cdc/i
スピーカー・・・フォーカル 260EX
アンプ・・・オリジナル真空管アンプ
その他・・・オリジナル・パッシヴネットワーク、へリックスCAP1000

コメント・・・
10年振りのグレードUPとなった今回のシェビーバン、
10年間クルマとオーディオを手放さず愛用していてくれた事に感謝したい。

「究極のアナログサウンドを求めて」をテーマに掲げた今回のシェビーバン
とは言ってもこれはいつの時代も永遠の課題で、
答えが出なく、
ゴールに辿り着かないものであります。

逆に答えが出てしまって、ゴールに着いた時には、オーディオの趣味は終わってしまう時であり、
永遠に未完のままが楽しいのも一つです。


10年前にインストールした、自分の音を10年振りに聴きました。
インストールの技術は今見られると恥ずかしいものですが、
音は何処に出しても何ら恥ずかしくありませんでした。


真空管アンプに火を入れ、
アンプが温まるのを待つ、
その間、テクニクスのRS-1500の電源を入れ、
以前自分が生録した10号のリールと空リールをセットする。
リールからテープを少し引き伸ばし、
テンションローラー、ピンチローラー、キャプスタン、再生ヘッドとテープをかけ、巻き取り側リールに巻く、
巻き戻しボタンを押すと「ガチャン」と大きく金属音を立てながら、
最初はゆっくり回転しつつ、徐々に高速回転でテープが活きよい良く巻かれていく。
直径約25cmもある10号のリールだが、38cm/秒の回転でたったの45分間しか聴く事出来ない。
一本1万円近くするのにと思いながら、
テープの準備が終わり、再生ボタンを押す。
ゆっくりと回転されていくリール、
レコードのターンテーブルと同じ様に、ストロボランプの光でピッチコントールを調整する、
その頃にはちょうど真空管アンプも温まってきた、
テクニクスRS-1500のVUメーターの針を見ながら、
ゆっくりとヴォリューム上げてようやく音楽が楽しめる。


つくづく思うことは
この手間隙がアナログの贅沢と言われる由縁であり、
吉野家の「早い、安い、上手い」ではないが、
「簡単、便利、お手軽」を望むならデジタルに行くべし、
アナログには手を出さない方が良い、
下手に手を出しても焼けどするだけです・・・



<追伸>
高橋さん!10年振りのグレードUPありがとうございました!
また次回、10年後を楽しみに待っています。


動画でも御覧になれます。


   

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